絵を描き始めてから15年くらい。
描かない時はあっても、やめたいと思ったことは不思議となくて、そもそもやめるということは選択肢にもなかった。
だけど最近ふと、やめてみたら、その人生ってどうなのかなと思ったりしていた。案外幸せなんじゃないかと思ったりして。
私がやめない唯一の理由は、仮にやめなかった場合、その先の風景はどんなものだろうっていう好奇心がいつもあるから。やめた場合の風景はなんとなく想像できるのだけど、仮にやめなかった場合、その先の風景は無限にも広がってるような気がして、それ見たさに続けてきた。
でも最近では、世の中に溢れるありとあらゆる素敵な作品やデザインを目の当たりにすると、私ごときがもういっか〜なんて気にもなってしまう。
そんな風に揺らぎながらも、昨日は失いかけ、失望しかけていた一つの扉がまだ開いていたことに気づき、久々に胸の高まりを感じた!うん、まだ挑戦しきったわけではない。もしかしたら、見てみたい風景はその扉のむこう・・・。
最近、知り合いに手作り絵本を見てもらった時、あまり考えたことのなかった根本的な質問をされて、考え直すいいきっかけになった。ABCシリーズを作り始めた6、7年前の動機はなんだったんだっけって一生懸命思い起こしたら、完成しつつあるかと思っていた絵本のアイディアをもう一度バラさないとダメかもしれないって気づいてしまった。だけど、それはそれで、魅力的なアイディアで。今のものも、子どもたちの反応はいいし(先日はめくりながら、動物の真似をし始めた!子どもの発想って何倍も豊か!)、私も気に入っているから続けつつも、別の表現も並行して模索しよう。また忍耐を地道にチャージしながら(私なりのコツは、やりたくない時は素直にやらないことと、食事と睡眠にかける時間を削らないこと。そのために実質何倍も時間がかかってしまうのだけど・・・)、少しずつでも、前に進んでみよう。
おまけ。
本当はよもぎBOOKSで一番に推薦していたのだけど入荷が叶わなかった本。
大好きな画家はたくさんいるけど、その中でもおそらく一番好きと言える、松田正平さん。
91歳にして初、かつ唯一の画文集「風の吹くまま」。(求龍堂出版。2006年第4刷版)
「流行を追うな、有名になるな、
よい職人のようにこつこつと腕を磨け。
もっとしっかりした絵を、私は描きたいんだ。」
ー松田正平