バウムクーヘン

頂き物ばかりの今朝のおめざ。スズの変形する器は友人からの誕生日プレゼント!おはぎは、たんの和菓子店のもの。
頂き物ばかりの今朝のおめざ。スズの変形する器は友人からの誕生日プレゼント!おはぎは、たんの和菓子店のもの。

 

朝7時半にこれを書いています。起きたのは6時半。

 

この私が早朝から文章を書いているなんて、笑えます。

私のことを知っている人は、これがどれだけ奇跡的なことかわかるはず!

 

何があったかというと、

 

昨日また一歳年を取りました!

 

39(サンキュー)!

 

30になる直前に髪を切りに行ったら、初めて「白髪がある」と言われた時の驚きと同じように、39になった翌朝急にこんなに早起き体質になるものか(?)と、自分の知覚以上に自分の細胞が年輪を正確に数えているような感覚が、人間ってすごいなぁと思った39年目の朝です(明日からまた遅起きになるかもですが)。

 

昨日は、姉二人がLINEでメッセージをくれて、

「ハナエは若く見えるから」

「年に関係なく人生楽しもう!」

みたいなあとに、

「まぁ実際にはそんなに若くないけど・・・」

っていう、我が兄姉の中でいつも一番現実的な長女の言葉。

あまりにもらしくて、笑ってしまいました。

 

 

年齢も、考えてみたら、コップの水の喩えみたいなもので、多く感じるのか、少なく感じるのかはどこに視点があるかなのかなと思います。

 

 

***

 

 

私は健康にはとても恵まれている方で、今まで大きな事故や怪我や病気もなく、生きてこられたのは心から感謝できることの一つです。

 

そんな自分なので、念のためというか、もし長生きしてしまった場合の人生100年計画もふんわりとありまして(本音は80くらいが自分にはいいと思うけど・・・)、どれくらいふんわりかというと、「死ぬまで絵を描いている」ということ、ただそれだけ。

 

その時点で、自分に家族がいるのか、いないのか、どこに住んでいるのか、どうやって生計を立てているのかまでは考えていなくて、まぁ欲を言えば、「絵で生計を立てている」が理想だけど、たとえいつまた日雇い生活に戻ったって、私は絵を描くことだけは続けていたい。あまり厳しい目標を持つと辛くなりそうなので、今はそれくらいにしています。家族ももちろんいてほしいけど、他人というコントロールできない部分は、願いはしても計画はしない。まぁ、だから結婚できないんだよと言われそうですが、私は他人の意思が自分の思い通りにならないことに対して、人様にも、神様にも、八つ当たりするのはもう嫌なのです。自分に問題があるって思うことも、もうしません。どちらも時間とエネルギーの無駄なので、私は絵一本に集中することにしました。

 

人生100年というのは案外現実的だと思っていて、一つは、私が比較的健康に恵まれているということ、もう一つは、未来の医療が益々死ににくくなっているだろうと思うから。それと、私の大好きな画家たちは大体90代くらいまで生きて、晩年こそとても素晴らしい作品を残しているのを見て・・・アーティストは、いつまでたってもやりきった感がないので長生きするんじゃないかな、と勝手に思ったりします。

 

象の鼻パークから見える横浜大桟橋と、停泊する豪華客船飛鳥。2021.3.17
象の鼻パークから見える横浜大桟橋と、停泊する豪華客船飛鳥。2021.3.17

***

 

一方で、昨日は久々に友人との待ち合わせまで横浜の象の鼻パーク辺りをぶらつきながら、「あぁ、そう言えばあの方が亡くなったのは、39歳だった」なんて思い出したりした。

 

その女性は可愛いお子さん二人を育てていたお母さんで、とても美しいだけでなく人間としての(端正な見た目に反して)豪快で温かなオーラが、近寄りがたいほどに圧倒的な女性だった。私は良くも悪くも誰とでも対等に接してしまう方なのだけど、その方のオーラは強烈で、フレンドリーに話しかけられるたびにドキドキしてしまった。

 

なんて素敵なご家族なんだろうと羨望の眼差しで見つめていた彼女が、ある日末期のガンであると知らされて、その後確か2年満たない闘病生活で、40にならないうちに亡くなった。闘病中、スリムがさらにスリムになり、抜けた髪がまた伸びたベリーショートがとても可愛かったり、見た目は変わっていくけれど、家族のために日々をポジティブに、貪欲に生きようとする彼女が放つオーラは、むしろ強みを増していった。

 

私が最後に彼女を見たのはまだ比較的お元気なうちで、その後の病み方も話には聞いたから、あまり末の末を見ずに済んだのは自分にとってはよかった気がする。次に会ったのはお棺の中で、こんなに美しいご遺体があるものかと感じたほどに、最後の最後まで本当にお美しい方だった。震災があった年だから、ちょうど10年前の話。

 

年輪。

 

バウムクーヘン(年輪)のように、仮に100周回転するのが人生なのだとしたら、私は39周目。半分より内側。

 

20で始めた絵描きとしての年齢はやっと19で、まだまだ世間知らずのヒヨっ子。

 

私は平気で100歳まで生きてしまう気がするし、もし健康でいられるなら、50で憧れの日本画に挑戦するのが、もう一つのふんわりとした目標の一つ。今すぐやればいいという声もありそうだけど、日本画は私ごときが手を出したら即座に完敗するのが目に見えている。あと11年くらい創作を続けていたら、もしかしたら、願わくば、お許しが戴ける・・・?そのさらに50年後くらいになってようやく一枚くらいいい画が描けたら、私は人生も完成してもいいのではないかと思ったりする。

 

  

うーん。

 

最低でも親より長生きはしたい。

でも実は自分の命すら、願うことはできても、計画はできない。

 

昨日は大桟橋に停泊したままの豪華客船を眺めながら、一年前にこの場所から多くの人の人生が変わったことを、ぼんやりと思ったりした。

 

 

 

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