実家の柴犬さんちゃんが、15歳とちょっと生きて今朝、息を引き取ったと連絡がありました。
実は私2日前まで数日帰っていて、弱かった後ろ足がますます弱り、あの酒樽のような肥満体だったさんちゃんが、半分くらいの大きさに・・・。でも悲劇的なその見た目に反して表情は穏やかで、年末また会えたらいいなって思ったけど、やっぱり最後になってしまいました。
犬とか人もそうだけど、最晩年の印象が強すぎて悲しみとか後悔が大きくなってしまうけど、ちょっと昔の写真を見返したり、記憶を掘り起こしてみると、さんちゃんはとっても個性の強い、性格のおもしろい犬だったなぁと思います。見た目は犬だけど、中身は猫なんじゃないかってくらい周囲に対して無関心で、無表情で、日向ぼっこが大好き。キャンキャン騒ぎ立てるようなこともなかったし、頑固で散歩嫌いで天邪鬼。頭とか撫でられると、「やめて」みたいに手を振り解く可愛げのなさ。笑 いつも後ろからお尻を押さないと歩いてくれないくらい散歩(特に上り坂)が大嫌いで、逆に折り返し地点からの帰り道はほとんど駆け足なくらい動きが俊敏になる。笑
一方で猫とか子どもには優しくて、うちのミーがまだ野良で家に寄りつくようになった時は、自分の餌が食べられてもそっとしておいてくれていたし、2歳児とも散歩できるくらい優しく歩いたり、小さい存在には本当に親切なおじいちゃんみたいだった。
私はさんちゃんとの真夜中の散歩が大好きで、クリエイティブな仕事が夜派なので、12時前とかに切り上げてお風呂を温めている間に懐中電灯を持って近所をお散歩。さんちゃんも涼しいと動きが軽やかになるので、夜の散歩は楽しみにしていたように思う。薄暗がりの中に黒くて綺麗な山並みが続く中、頭上には満点の星空で、冬は白い息を吐きながら頭をすっからかんにするのが最高に気持ちよかった。一人じゃできない真夜中散歩。体格だけはいいさんちゃんは、実際に何かあったとき私のために戦ってくれるような粋な奴ではなかったと思うけど(笑)一応見た目上はいい護衛になってくれていたと思います。
数週間前にレスキューを要するようなアクシデントがあり、それがきっかけで急激に衰弱しちゃったけど、私に会って、もとの飼い主の姉とも電話で声を聞かせてもらって、昨日の朝お腹の中をすっかり綺麗に排泄して、お湯で清潔に洗ってもらって、その夜静かにひとりで息を引き取ったということでした。死ぬ準備ができたと感じたのかな・・・。
一年前はミーを山中で失踪させて悲しみに暮れていたけど、その時に慰めてくれたのはさんちゃんだった。今は、さんちゃんがいなくなって、ミーが私を慰めてくれています。
こういう悲しみがいつか来るって分かっていても、私はやっぱり、動物との暮らしが好きだなぁ。飾らない存在でいつでもそばにいてくれて、いっぱい大切なことを教えてくれて、与えてくれるから。
さんちゃん、君は本当に楽しい犬だったよー!
素敵な思い出をたくさんありがとう。