年末に大掃除を頑張ったご褒美に、実はこんな大人買いをしていました。
田村由美先生の「BASARA」全27巻!
大晦日に解禁して、ちびりちびりと楽しんでおりましたが、最近全巻読み終わりました。
あぁ、覚えていた通り、やっぱり良かった・・・。
この漫画、私世代であれば高校時代流行っていたから知っていると思う!
休み時間に机の下でこっそり読んでいたら、次の授業に入ってきた数学の先生に「たなざわ〜!」と大声で呼ばれ、没収されたという思い出深き漫画です(しかも友人のだったから買って返した)。笑
漫画は小学校くらいで卒業してたから、これは例外的に好きだったんだけど、一度全部持ってたのは処分してたらしく、また読みたくなって買い求めました。
日本が20世紀末に滅びてから300年後の世界、戦国時代みたいにバラバラになった日本の再統一を目指す運命の少女の物語・・・。絵があんまり好きじゃないって人も多く(それはちょっとわかる)、だけど物語はすごく面白いからオススメです(よかったら貸しますよ)。赤の王はやっぱりかっこよい・・・更紗はかわいい・・・応援したくなる二人。何気に好きなのは那智。
***
実は私がアーティストという人たちを理解したのは、この「BASARA」がきっかけ。20歳でアートに開眼するまでは、アーティストなんて、好きなことしてるだけの自分勝手な人たちと本気で思っていました(スミマセン)。私、アートなんてまっったく興味のない冷めた子どもだったの。18歳の時試しにピカソを観に行っても全く意味がわからず、でも自分で描くようになってすぐあの方の偉大さを理解しました。私って元々そんな程度なのです。
この漫画は戦国時代の設定なので、作中の登場人物はほとんどが戦士みたいなキャラクターなんだけど、一人だけ穂積(ほずみ)っていう絵描きの青年が出てきて、武将の父親に(絵が描けないように)両腕をへし折られ、わずか1巻のうちに争いに巻き込まれ死んでしまいます。主要ではないこのキャラクターのおかげで、私はアーティストっていう人たちのことを初めてきちんと理解することができました(みんなが穂積みたいではないにしてもね)。久しぶりに読んだ今回も、全巻を通してここが一番涙腺にきたかも・・・。
高校時代に「BASARA」を読んでいなかったら、20歳で絵を描き始めた時に、アーティストを目指す自分をすんなりと受け入れられたかと考えると今でも疑問です。それくらい、私の人生に影響を与えた作品。漫画だから無理な展開も多いんだけど、キャラクターの心理描写はとても丁寧で現実味があり、田村由美先生の想像力の豊かさに改めて感嘆させられました。
そしてなんで今になってまた「BASARA」を読みたくなったかというと、昨年暮れに中国であった白紙デモ。あの光景が私にはとてもアートで、この穂積を思い起こさせたから。
戦い方は人それぞれだけど、自分が一番自然体でいられて、ピンとくることができていればいいよね。
たとえ遠回りでも、ほとんどの人に伝わらなかったとしても、それをやっていくしかないのです・・・。