お金シリーズ、いよいよ深堀っていきますよ!
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とあるところに、ハナエというたいそう貧相な女の子が住んでいました。ハナエはあまり世の中のことをよく知らなかったので、「自分の家族は食べることに精一杯で、家も持ち物も何もかもボロボロ。欲しいものだって滅多に買ってもらえないし、両親は全然構ってくれないし、うちってつくづく貧乏なんだわ」と思いながら日々暮らしていました。
そんなハナエにとって、一番よくわからないことがありました。それはハナエのお父さんもお母さんも、別にお仕事をサボるような怠け者ではなかったのです。それどころか、父も母も、毎朝早くには仕事に出かけ、夜遅くクタクタになって帰って来るのが常でした。とても真面目なお父さんとお母さんは、毎日毎日一生懸命仕事をしているのに、ハナエの家は一向にお金持ちになる気配がありません。
ハナエのお父さんは、アメリカ国やその他の国に物を作って売る仕事をしていました。お父さんの会社が作る製品はとても上質と評判で、製品は飛ぶように売れていくので、実はとてもよく儲かっていました。それなのに、ハナエの家の暮らしは、何年経っても一向に良くなることはなく、その間にハナエはすっかり大きくなってしまいました。
大人になってわかったことは、お父さんのような会社は、アメリカ国や他国に製品を売って受け取ったドルというお金が交換しきれないほど大きくなってしまったので、ドルとしてそのまま海外で貯めておくしかなく、せっかくの稼ぎも日本国内に持ち込むことができなかったのです(円の流通は日本国内だけだから交換量が限られる)。仕方なく、お父さんの会社は、稼ぎすぎたドルを、それが使える海外でそのまま使い(海外投資)、そのため、日本のハナエたちの暮らしは大して変わらなかったのに対し、海外の人たちの暮らしはどんどん豊かになっていきました。そんな働き者がいっぱいの日本が、どれくらい海外にお金を貯めてきたかというと、なんと411.2兆円(2021年末の統計)で、これは31年間連続で世界一位というほどの、実は日本は世界一のお金持ち国家だったのです・・・!(この海外での資産(貸し)と負債(借り)を差し引いたお金のことを対外純資産という。)
ハナエの家族が「豊かさ」を実感する暮らしを得るために本来国としてできたことは、国民が働きすぎることをやめて給料を多く受け取り(=黒字を減らして)、家族や趣味の時間を増やし、海外で貯め込んだドルで買い物(輸入)や旅行をし、生活の中で使って豊かさを実感していくことでした。でも、戦後の高度経済成長という成功体験もあり、日本はGDPという「数字を大きくすること」=「豊かさ」と勘違いしてしまい、生活そのものを犠牲にして身を粉にして働き、ただひたすらお金という数字を大きくするゲームに夢中になっていったのでした。
反対に、アメリカ国は、使いきれないほどのドルを持っていて、なおかつ自分たちに使ってくれる日本のような国のおかげで物質的な豊かさをいっぱい享受はできたものの、数字的に見ると、実は圧倒的に世界一の超貧乏大国となってしまっていたのです・・・!↓↓↓
引用:https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20230103-00331258
これって、信じられないけど本当の話。
財務省がきちんと発表しているものです。
皆さん、実感ともなってますか?
自分の暮らしに世界一感、ありますか?
つくづく、
お金ってなに?
本当の豊かさってなに・・・?
・・・
なんでハナエの親はあくせく働いたのか。
日本って借金一人頭1000万円じゃないの?
などなど。
もう少し深ぼっていきます。
参考図書:大西つねき著『私が総理大臣ならこうする』白順社, 2019 第2刷, pp. 14-25
*数年前の書籍のため、具体的な数字は今とは違うところがあります