だいぶご無沙汰になってしまい、私自身も読み返したお金シリーズです!
バックナンバー:
***
#008から継続中の舞台設定。(↑←リンク数間違ってました!#008追加しました。6/28)
お金稼ぎごっこ中。とある日のリーダー・スネ夫の演説。聞き手はしずかちゃん、のび太(3才のハナエはお昼寝中)。
スネ夫:「え〜みなさん、一国の代表としてお伝えしますが、残念ながらあなたたちには一人につき1000万円の借金があります。つきましては、せっせと働き、税金を納めることでしっかり返すように。」
のび太:「え〜!!いっせんまんえん!!!ぼくったら、いつの間にそんなにお金を借りていたんだろう!まだ学校も出ていないのに!どうしよう、どうしよう、しずかちゃん、え〜ん、ドラえも〜ん(天を見上げて噴水状に号泣)」
少し間を開けて、しずかちゃん:
「・・・何を寝ぼけたこと言ってんのよ、スネ夫。茶番もいいところだわ(注:見ていたのが昔すぎてしずかちゃんの口調を思い出せません。)「あんた」が抱えてる借金は「私たち」から借りたお金だってこと忘れたの?「私たち」は「あんた」に借金があるどころか、「あんた」に「私たち」のお金を使わせてるのよ、勘違いもほどほどになさい。」
スネ夫:(額をポリポリ、苦笑いを浮かべながら)
「い、いや〜、そ、そうだったかなぁ。じゃじゃ、ジャイア〜ン!」(逃げる)
(逃げながら:ちぇ・・・みんながのび太みたいだったらよかったのに・・・)
・・・そういうわけで、その肩に1円の重みも背負っていないハナエは、今日も安心してすやすやとお昼寝を続けたのでした。
チャンチャン♪
***
2023年3月末で「国の借金」は1270兆円と過去最大を記録したと発表されています。
この表現にはカラクリがあって、実は「国の借金」は、しずかちゃんやのび太くんを代表とする「国民」の借金ではなく、スネ夫=「政府」の借金なのです。本来は、
国民+政府=日本
なのに、あたかも国民が借金を抱えているように報道されています。
国民と政府は、私流で例えるなら資産家(貯金持ち)のお母さんと、実業家のお父さんです。お父さん(スネ夫)は国の経営という事業を継続するために、お母さん(しずかちゃん)からたくさんお金を借りています。でも結局はお父さんとお母さんは日本という一つの家族なので、他国(第三者)から膨大にお金を借りているというわけではありません。
お母さんはいわゆる機関投資家と言われるものです。機関投資家とは、一般国民がお金を預けている「銀行、生命保険会社、損害保険会社、年金運用基金など」(大西, p.40)の金融機関を指し、つまり、何らかの口座を持ってお金を預けているあなたはこの機関投資家を構成する一人になります。
「日本の政府の国債の90%以上は日本の機関投資家が持ってい」るので(大西, p.40)、わかりやすくいうと、お父さんが借りて使っている100万円のうち90万円以上は身内のお金だということです。
知っていても知らなくても、私たちが貯金として預けているお金は、そのまま銀行で眠っているわけではありません。いろんな形で運用することで銀行などは商売しています。なので自分たちの預けている銀行が機関投資家として日本国債を買い、=間接的に私たちは政府にお金を貸しているのです。
以前にも触れた通り、日本は対外純資産世界一の超安定財政国家です。また日本円という自国の通貨発行権を持つ国なので、ユーロ圏などとは違い、いざとなれば自国の通貨を発行したりと適宜コントロールすることができます。
*
対してアメリカの借金は、他国から借りているものが大きく、日本の借金とはわけが違います。アメリカでは今年1月に債務上限に達したため、米ドルのデフォルトもあるかと騒がれていました。これは本当にお金がないので上限を引き上げなければ破産という状況で、あちらの借金は本当に頭を抱える性質のものだと思われます(でも毎年のように引き上げされるので、選挙を見据えた民主党と共産党のプロレスみたいなものらしいです)。
参考:モハPチャンネル(←すごいわかりやすくてたまにチェックしています)
日本の対外純資産に関してこちらも
この「借金」という言葉が今の貨幣システムを理解する上ですっごい肝になってくるのですが、ここから先、私ごときにこのことをうまく説明していくことができるのかわかりません・・・。でも実は、次からが本編です。
とりあえず、日本政府の意味不明な脅し文句で眠れぬ夜を過ごした皆さん。これから税負担などで大変なことはあるにはあるでしょうが、あと、個人的な借金はちゃんと返さないといけませんが、それ以外で今何かを背負っていると感じるのは気のせいなので、今日からは3才のハナエのようにスヤスヤと穏やかな心で眠ってくださいね。
参考図書:大西つねき著『私が総理大臣ならこうする』白順社, 2019 第2刷, pp. 14-15, 40-41
*数年前の書籍のため、具体的な数字は今とは違うところがあります