スネ夫も大変、の巻(お金シリーズ#013)

打ち出の小槌 2020 ©︎ Hanae Tanazawa
打ち出の小槌 2020 ©︎ Hanae Tanazawa

 

お金シリーズ!

 

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今回はこれまでの、特に#009#008も少し)の伏線回収になりますので、よければおさらいしてみて下さいね。

 

 

***

 

 

お金は信用創造という方法で、誰かが借金するのと同時に発行されるという話でした。そして、借金を返す際には元本+利息が必要となるため、世の中に不足を生み出すということも。

 

この信用創造によりお金が増えることは、まさに「バブル」=泡が膨らんでいくっていうイメージがぴったりです。泡が膨らむ様子は見ていてワクワクするけど、危うさもあり、その実態は曖昧です。

 

なんでもそうですが、多く作られすぎたものは価値が薄まる傾向があります。そのため、バブル経済で膨らみすぎたお金(借金)の量をコントロールするため、当時の日銀は量的規制を行うことにしました。しかしそれが予想以上の景気後退を促し、バブル崩壊を起こしてしまいました。

 

1991年のバブル崩壊後、信用創造の反対の現象として、「信用収縮」が起こりました。銀行が今までのようにお金を貸さなくなり、つまり借金=お金が減っていったのです。一時期、民間銀行の貸出残高は約500兆円から400兆円まで、100兆円近くも減少しました。(大西, p.53 / 下の図参照)

 

 

 

 

#011の公園のシチュエーションに戻ります。

 

*ちょっと抽象的になるので想像力を使ってくださいね。

 

信用収縮が起こった公園内は、お金が減ったことで返済できない子どもたちで溢れかえりました。あんなに簡単にお金を貸してくれた出来杉くん(銀行)は、いくら頼んでも、返済能力のない子どもたちを信用することがなく、貸し渋るようになりました。(事前に設定してたわけじゃないけど、ここから公園=国子ども=民間企業と置き換えて考えていきましょう。)

 

このままお金が減り続けると、公園(国)全体が大変なことになってしまうので、ここで無理矢理にでもお金を増やし、国を立て直そうと動いたのがスネ夫(政府)でした(設定思い出してくださいねー)!

 

スネ夫は国のリーダーとして、子どもたちが借りられなくなった分、自分が借金をしてでもお金を生み出すようになりました。そうでもしなければ、一国のリーダーとして権力の座を維持できなくなったからです。

 

 

この時の状況を説明するグラフがあるので拝借します。↓

 

出典:大西つねき著『私が総理大臣ならこうする』白順社, 2019 第2刷, p. 56
出典:大西つねき著『私が総理大臣ならこうする』白順社, 2019 第2刷, p. 56

 

 

 

すぐにはピンとこないと思うので、公園の例で解説をつけるとこんな感じ↓

 

 

一番上の線はマネーストックM2というもので、国内の全ての現金・預貯金のざっくり総額と捉えてください(本当はちょっと違うけど詳しいことは下記資料を読んでください)。

 

見てわかる通り、バブル崩壊までは、民間銀行貸出(子どもたちによる借金)がM2の線をピッタリと沿うように下支えしていました(なぜならお金=借金だから)。

 

バブルが崩壊すると、信用収縮が起き、子どもたちは銀行からお金を借りられなくなりました。

 

点線のGDPを見ると、右肩上りだったものが徐々に横ばいになっています。経済成長がなくては銀行は貸したくても貸せません。

 

誰かが借金してお金を生み出さないと回らないのが今の金融システムなので、借りられなくなった子どもたち(民間企業)の代わりに借金するようになったのがスネ夫(政府)というのがグラフの青い部分です。今ではM2の線を下支えするのはこの国債残高(=政府の借金)なのが見てとれます。

 

ここで、勘の鋭い方は気付くかもしれませんが、#009で触れた政府の借金とはまさにこの部分のことなのです!(伏線回収!)

 

 

・・・と、いうことは、ですよ!?

 

このおかしな金融システムに翻弄されているのは、何も私たち一般人だけではなくて、実は政府も、と言って良さそうなのです。 事実、世界中の国々が翻弄されていて、地球も経済もう限界に近づいています(この辺の深掘りを先々)。

 

 

スネ夫だって大変なのよ・・・。

 

 

なので優しい目で見ると、政府が必ずしも無駄遣いしているとか(←あると思うけど)、税収が足りてないとかが国の借金の本当の原因ではなく、実は使っているシステムがおかしいっていうだけの話なのです。

 

システムがおかしいんだから、システムを変えればいいっていう話を大西さん含めいろんな方が声を上げてはいるんですが、そういう情報が大手メディアでは扱われなかったり、潰されているところを見ると、政治家たちは本当にこのことを知らずに政治をしているのか、または知っていて何かの理由で隠している、っていうことになり、どちらにしても問題です。でもこの借金の解釈を「国民の借金」とすり替えて報道しているあたり、何かウラがある気がします。

 

 

ちょっと逸れるけど、例えば老後資金2000万円必要とか、そういうお話。そのまま受け取ったらゾッとする話だけど、冷静に考えて、国民全員が本当にそれだけ貯め込むようになったら、一体どんな世の中になるでしょうか。

 

と、(急に思い出した)実はこの2000万円発言をした麻生太郎さんは、このお金の仕組みをよくわかっていました!

 

日本の借金問題を麻生太郎がわかりやすく解説 (8:29の動画)

 

3年前に一度見たのを久々に見つけたけど、誰よりもわかりやすく面白く解説してて、しかも「お母ちゃんのポケットからお金を借りる」とか、私覚えてなかったから真似したつもりなかったけど、例えとしては合ってたみたい。笑 これだけわかってて財務大臣になった途端に真逆の態度になったんだから、あの人は完全にクロだわ。笑 でもこの動画見たらちょっと好きになるわ。笑

 

脱線したけどそんな感じで、 いろんなことが、私たちがよくわかってないことをいいことに、「あーそっか、そんなもんなのかぁ」と思うように仕向けられている気がします。

 

なので学んで安心していきましょうね。

 

 

おやすみなさい! 

 

 

 

参考図書:大西つねき著『私が総理大臣ならこうする』白順社, 2019 第2刷, pp. 53-57

*数年前の書籍のため、具体的な数字は今とは違うところがあります

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