世の中的によく「(重荷となっているものを)手放せ」とか言われるけど、
今日ゴロゴロしていたら急にイメージが見えて一つの悟りを開いた。
つまり、手放すというのは、風船を掴んでいた手を開くというような地上側の視点ではなくて、
手から離れていく風船側の視点で見ればいいのだということ。
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この重力場で長いこと自分を掴んで離さずにいた(あらゆる想念、過去の良い/悪い記憶、関係性、後悔、未練、トラウマ、不安、恐怖心、恨み、憎しみ...などの、)指先や枝先、フェンスの絡まりから一度でも解放された風船は、ただ「そのもの」となって天高く舞っていく。
解き放たれたその体は軽く、
次第に広がる景色は雄大で、
風は優しく
雲は楽しくて
星が輝いている。
そんな風景に夢中になっている間に、地上の重たい記憶は徐々に遠のき、
悲しさなどなくて、あるのは軽やかな幸福感だけ。
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手放すという行為は、持っていた風船を手放すような、やってしまった後で後悔や未練が残りそうな勇気のいることに感じていたけれど。徐々に小さくなる風船をいつまでも目で追ってしまいそうな、虚無感に取り残されたような下からの目線ではなく、自分が風船になればよかった。
執着を手放せば軽くなるというのは、つまりはそういうことなんだ。