海の人と森の人

Untitled 2024 © Hanae Tanazawa
Untitled 2024 © Hanae Tanazawa

 

私はいつの頃からか、世の中の人をざっくりと二分するようになった。

分類名はずばり「海の人」と「森の人」。

 

 

「海の人」:おおらかで人懐こい。態度や身振り、服装が大きく派手で、声もでかい。細かいことは気にしない、気にならない。日焼けが似合い、カラフルでスポーティーな活動派タイプ。海の側で育った、または住んでい(た)て、お祭りやフェスなど大勢で騒ぐことが好き。部屋はあまり片付いていないか、インテリアがチグハグ(でも好きなものの集まりだから統一感とかは気にならない)。

 

「森の人」:シャイまたは独り・小グループ好き。服装は無地や天然素材が多い。色白で少し頼りない感じがするが、食べ物などには気を使う別の意味での健康オタク。趣味はカフェ巡り、芸術鑑賞、読書など、無意識的にも陽を避け、木漏れ日の中を歩くような行動をとることを基本としている。人混みや目立つことが嫌いだけど、海の人とはまた違った形で実は目立ちたい気持ちも隠し持っている。インテリアや暮らし、その見せ方にこだわりがある。

 

 

「海の人」と「森の人」の最もわかりやすい目安として、SNSのアイコンをチェックしてみてほしい。

 

大きく、またはカメラ目線で堂々と顔を晒し、笑顔や堂にいったポージングのものであればそれは紛れもない「海の人」。

 

対して「森の人」は、遠景、シルエットであったり、うつむいていたり横顔であったり。はたまた風景や動物や子どもの頃の写真であったりする。モノクロや加工もやりがち。

 

 

「海の人」はまた、掲載する写真にも特徴が大きい。ビーチだろうがゲレンデだろうがライブ会場だろうが、両手を広げて大きなポーズと笑顔を振り撒き、背景よりも人物が多め、大きめ。自撮りも多い。一発撮りならではのその場のノリをヨシとする。「海の人」にとっては人物こそがメインなので、背景や写りや構図の良し悪しは二の次。食べ物その他にしても、被写体を撮れていることが重要なので、影が入っていようが、背景がごちゃついていようが、食べかけだろうが、画像の出来は問題ではない。

 

「森の人」は間接的な目立ちたがり屋。人物であっても食べ物であっても、背景や写真の写りをしたたかに計算し、微妙に光や構図を変えて繰り返し撮り直し、「海の人」には理解できないであろう細部まで行き渡った渾身の画像のみをアップする。自分が撮られる場合は顔や体の一部が少しでも隠れていると安心する。また自分ではない、自分に代わるもので自分を表現したがる。

 

 

画像に添える文章にも特徴がある。

「海の人」は絵文字が多く、文章も瞬発的、テンションが高め。

「森の人」は絵文字控えめ、行間のバランスまで注力する。句読点を使わないなど独特の美学がある。

 

 

「海の人」は太陽の下で隠れようがないがごとく裏表がなく、感情がわかりやすい。人を褒めるときも悪口も等しく盛大。善悪に関してもケロリとしており同じ失敗を堂々と繰り返す。

 

「森の人」は感情を心の中に仕舞い込み、不満なことには小さく呟く。怒りよりも悲しみややるせない感情が膨らみ、泣きたい時は自分の森の奥に引き込み、気が晴れるまで一人で泣く。

 

 

「海の人」は全身が太陽に照らされ、全てが明らかであることに安心する。

「森の人」は木々に隠され、守られていることに安心する。

 

「海の人」は「太陽の人」、「昼の人」。

よく言えば大らか。悪く言えばガサツ。

 

「森の人」は「月の人」、「夜の人」。

よく言えば細やか。悪く言えば神経質。

 

 

 

 

・・・さて、貴方はどちらだろうか。

 

 

 

 

 

*一個前の写真を見て日頃から感じていたことを書いてみました。

私からすると明らかに「海の人」である姉(森の性質も持っているが)に「季節感おかしい」って写真を送ったら、「昔は寒さを感じなかった」と。「寒いのに車の窓開けられて寒かった」と言ったら、「覚えてない、ほんとごめん笑」て。・・・笑、て!「森の人」を自認する私はしばしば「海の人」の被害者なのである。「森の人」が「海の人」にやらかしてることもまたあるのだろうか。

*あくまでも私個人が考えた分類なのでエンタメ程度に捉えてみてくださいね。極端に書いてるから実際にはほとんどの人がどちらの性質も兼ね備えているのでは。

 

 

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