例の如くシェアが遅れましたが、10月末、日本民藝館で開催中の「芹沢銈介の世界」に行ってきました(9月5日〜11月20日まで)。
芹沢 銈介(せりざわ けいすけ)は私が20代の頃、銀座の伊東屋でカレンダーを見て一目惚れしてしまい、それからずっと作品を見てみたいと思っていた方でした。
静岡に美術館があるのは知っていたのですが、車でも行きにくいなと思った印象で、なかなか本物の作品を目にすることができていませんでした。
染色家というイメージの強い芹沢ですが、今回はより美術家、デザイナーとしての側面も知れることとなりとても勉強になりました。欲を言えばもっと!たくさん見たかったのですが、都内で芹沢の作品をまとめて見られる機会はあまりない気がするので、気になる方、特にデザインされている方にはお勧めします(シェアが遅くてごめんなさい)!
今回は小さな冊子以外は買わず、芹沢の言葉が載っている書籍はなぜか意識的に避けてしまいました。デザインが雄弁なのでそれだけでいい、そんな気持ちになったのです。
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実は日本民藝館自体も初めてだったのだけど(意外でしょ?)、正直話すと、行ってみて少しだけ違和感がありました。
柳宗悦が始めた民芸運動。Wikipediaによると・・・(そのままコピペ):
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民藝運動(民芸運動、みんげいうんどう)とは、手仕事によって生み出された日常づかいの雑器に美を見出そうとする運動。「民藝」とは「民衆的工藝」の略語で、柳宗悦らによる造語。1926年(大正15年)に柳宗悦、富本憲吉、河井寛次郎、濱田庄司が連名で「日本民藝美術館設立趣意書」を発表したことが、運動の始まりとされる。全国の民藝館などで運動が続けられている。
日本民藝館の創設者であり民藝運動の中心人物でもある柳宗悦は、日本各地の焼き物、染織、漆器、木竹工など、無名の工人の作になる日用雑器、朝鮮王朝時代の美術工芸品、江戸時代の遊行僧・木喰(もくじき)の仏像など、それまでの美術史が正当に評価してこなかった、西洋的な意味でのファインアートでもなく高価な古美術品でもない、無名の職人による民衆的美術工芸の美を発掘し、世に紹介することに努めた。
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名のない職人による日用品(クラフト)の中でも、柳らの目に適った美しいデザイン性を持つものが集められ、展示されている日本民藝館。器など大好きな私がこれまで訪れなかったのはなんでだろうと思いつつ、民芸品は基本的には展示されるものではなくて、使われてこそ良さが発揮されるものなのではという予見が、違和感として現れたような気がしました。すごく斜に構えた見方で、生意気なのは重々承知なのだけど・・・、民芸を知ってもらいたいから民芸を集めて展示する、ということそのものに自己矛盾を孕んでいるなぁと、この綺麗なショーケースこそ取っ払って手で触らせてくれたらいいのに、なんて失礼なことを思ったりしていました。
すごくわかりやすく例えると、B級グルメをレストランで上品に提供されてもなんか違う、みたいな感じ。焼きそばは、屋台とかであのペラペラなプラスチックの入れ物に大雑把に入れられたものを割り箸割って食べるのが一番うまいよね、みたいな、そんな感覚。焼きそばをどんなに美味しそうに展示されても、「いや、食べさせてよ!」ってなるでしょ(←)。
民芸は語らなくていいと思うし、芹沢の作品はガラスのショーケースに入れられなくてもいいと思う(貴重性と芸術性で入れているのは理解します。でも仮に民芸として位置付けるならその距離感でなくていいという意味)。
その辺の民家の台所に暖簾としてかかっていたり、カレンダーになっていたり、そんな日常の風景に溶け込んだ場面を想像したとき、初めてそのものの美しさが見えてくるような気がしました。
・・・って生意気言ってごめんなさい。