
昨年くらいから興味を持って学び始めた「潜在意識」。
人の思考の95%を占めるとも言われる潜在意識が、どれほど重要な役割を果たしているかは想像に難くない。無意識下にあるものとはいえ、意識して使うと自分の想像以上の成果を発揮できるものだと学んだし、実体験でもつくづくそのように感じる。
潜在意識に感動してしまうのは、一番に作品を制作している時。滅多にあるわけではないが、本当にゾーンに入った状態では、自分(脳)では何をやっているのか理解できなくて、ただ手が動作するのを客観的に眺めていることがある。その時、その場に存在しているのは「目」と「手」、その二つを結ぶ「脳」がそれぞれ空間にぽっかり浮かび、身体の他の部位は消滅してしまったかのようだ。手が一番の意思を持って扇動して動いている。目はそれを危なっかしく観て、脳でヒヤヒヤしている。こうなったらもう誰も手を制御できない。
脳は合理的で、これまでかけてきた労力、例えば費やした画材や時間や手間を計算し、なるべくそのまま報われてほしいと現状維持、惰性による最短距離での終着を所望する。
一方で、手の方はそんなコスパ・タイパはお構いなしで、ただただ自分の信じる美を追求し、進んでは戻り、試しては失敗し、を厭わない。
経験上、手が一度でもそのような暴走を始めたら、口出ししないのが鉄則である。私たち(目と脳!)は、何度手が勝手にしたことに感動させられたことか!手ももしかしたらその行程は手探りかもしれない。手探りを得意とするのはやはり手なのである。
潜在意識は何かを知っている。5%しかない、我々が認識できる「顕在意識」よりも遥かに多くのことを。
私はそれを、スキューバーダイビングのようにも思うのだけど(これは恩師の表現を拡張させたもの)、暗く、薄気味悪い潜在意識の底の底の方にヘッドライト一つで潜っていき、右に左にと頭を振りながら、ついに輝く海底の宝石を見つけるようなものである。
(1月25日筆・35分)
zuihitsu・・・前日自分に課したキーワードをお題に、最低400字(原稿用紙1枚)で書く練習をしているものの一部出し